・マーケティングとは「どこで戦うか」を決めること
「マーケティング」というと、様々な理論を踏まえてフレームワークを使って戦略を練るイメージですが、その手前にまずは「どこで戦うか」を正しく設定することが最も大切です。
確かに現実の仕事の中でも、会議の議題そのものの設定をミスしていたり、そもそもの方向性の議論を行わずに枝葉の部分を検討してしまっているシーンに度々遭遇います。
筆者はUSJをV字回復させた立役者ですが、その原動力はUSJが消費者視点の会社に変わったこと、と書いています。消費者の視点を忘れ、会社の事情で物事を進めていることが現実的には非常に多いと思います。
まずは、マーケティングが、消費者や市場が望んでいるものを分析し、何を作るべきか決める。どのように作るかという段階でクリエイターやプロデューサーらの作り手が必死にアイデアと技術を駆使して作っていくこと。
言葉にすると当然のような考え方ですが、みなさんの会社は実際どうでしょうか?「会社側の事情」で何を作るか(するか)決めていませんか?
・会社のリソースを有効に使えるようシフトする
マーケターの仕事は、会社のお金の使い道や従業員の努力を、消費者にとって意味のある価値に繋がるようにシフトさせること。
限りある会社の資源を効率的に使うことがまずは一番重要なことは理解できますが、なかなか実現できないのはどうしてでしょうか?
・会社のメリットと個人のメリットの乖離!
会社の中で、「会社」の利害と「個人」の利害が一致していないことが多い、と書いています。納得感があります!
個人レベルの利害、部門レベルの利害、幾層ものパワーバランスを反映して「玉虫色」な妥結案になっていく。
「外向き」の時間や労力が「内向き」の社内政治に使われている…。
ほとんどのビジネスパーソンにとって身に覚えるのある事実ではないでしょうか?
・鍵は強力なリーダーシップ
それを防ぐには強力な意思決定、会社のトップが意識的に権限を与える仕組みが必要だと筆者は言います。
逆に言うと、多くの一般のビジネスパーソンにとって、自分たちの努力で効率的な会社組織へ変えることは難しい、というのが結論なのでしょうか。
この部分の解決策が語られていないことは無念に感じる部分です。筆者の他の著書があるようですので今後読んでみたいと思っています。