「資本家マインドセット」は上記の著書と同じような内容ですが、「資本家」の在り方についてと、会社を購入したあとの作業についてもう少し詳しく書かれています。
前著で私が気になっていた部分は、会社を購入後、自らが社長として経営・業務改善を行う、という部分です。
購入した会社の社長としてサラリーマン時代以上に忙しくなり、業績への影響を考えて年収も苦しくなるんじゃないか、というイメージがあったからです。
今回は、購入した会社の経営改善後はその業務を仕組み化し、後任に引き継ぎ、あらたなお金を生む「ニワトリ」を探しに行く必要性について書かれていました。ですので「出口」についての考え方は納得できました。
ただ、「後任」を見つける作業はどうするのか、という疑問は残ります。後任を探せるのなら、そもそも自分が社長をやる必要もないのでは?
M&Aを生業とする「組織」として上記のような動きをするのは可能だと思うのですが、サラリーマン個人としてどこまでM&Aによって資本家になることを仕組み化できるのか、それが実際可能なのか、もう少し詳細を知りたいと思いました。
購入した企業の中に「後任」を作るのか、社内に候補がいない場合はどうやって外から連れてくるのか?
最悪のパターンは購入した会社の経営に忙殺されたうえ、経営も改善できずに会社もろとも沈んでいく悲劇です。
そうならないために事前のリサーチが大切なのはもちろんですが、「失敗もある」と筆者も述べていますのでなかなか「個人」で踏み出すのはハードルが厳しいような印象です。
それにしても、「効率化」を一番の使命に掲げている三戸さんが、著書の最後のほうに書かれている日常生活での「効率化」が徹底していて面白いです。
このような方がトップの「組織」なら「仕組化」の徹底と、「後任」も育つのも納得がいきます。