【3分でわかる!要約&感想】森岡毅著「誰もが人を動かせる!」から学ぶ、自己実現のためのリーダーリップ【後編】

自分が所属する会社や団体、グループで、部下やチームをうまくまとめたい、チームワークが悪くて悩んでいるという方は多いのではないでしょうか?うまくまとめる方法はないでしょうか?

そんな方にとって今回ご紹介する本は、そもそもリーダーシップって何か?という答えと、自分の根源と人生の目的を見つめ直す良いきっかけになると思います。森岡毅さん著の「誰もが人を動かせる」の要約&感想【後編】です。

 

 

タイトル通り、「リーダーシップ」に関する本ですが、表面的なリーダーシップ手法の解説本ではありません。リーダーシップを発揮するためには何が必要か、根本的なところから自分を問う本です。

 

 

本を読む前と良い意味で全くイメージが違い、予想していた内容を越える、非常に考えさせられるフレーズがたくさんありました。とてもオススメな本ですので以下の要約や感想で気になる部分があったら、ぜひ読んでみてください!

Their friendship makes work fun
Their friendship makes work fun

■リーダーシップ後進国・日本だからこそ、意識する人にはチャンスあり?

 

日本は欲を否定する文化。我が強い人が少なく、人に合わせることに慣れています。そもそもリーダーシップへの需要と供給が小さい国です。本来、社会を発展させる原動力であるはずの「欲」を遠慮させる日本の文化が、強いリーダーが育たない原因だと考えられます。

 

 

しかし、それに気づいて意識的に自分の行動を選んでいけば、リーダーシップ能力を向上させることができるのではないでしょうか。

 

 

誰かに埋め込まれた習慣である「気にしなくても良いはずのものを気にする変なクセ」を自覚して、一刻も早く、それを意図的に排除すべきです。そうすると、もっと素直に行動に移せるようになっていきます。結果としてあなたの一度しかない人生はより輝くはずです。

 

 

”他人の権利を侵害するわけでもないのに「欲しいものを諦める」のも、共同体のために良いことなのに「やりたいことに挑戦しない」のも、本当は周囲への配慮なんかじゃありません。そう自分に言い訳しているだけです。その正体は「自分が痛い思いをするのが嫌だからやめている」だけ

 

 

”どんな残酷な世界であっても、あなたは確実にどう生きるか、どこで生きるかを自分で選ぶことができるということです。最終的にはやはり、それは環境ではなく、個人の問題なのです。”

 

 

自分自身のためにリーダーシップの必要性に気づくこと。その能力を積んでいくために自分にとって必要な経験が何なのかを明確にすること。その獲得のために必要な行動へ勇気を持って踏み出して変化を起こすかどうかを決断すること。”が大切であると考えます。

 

■女性の能力を活かさずに、日本は他国との競争に勝てるのでしょうか?

 

日本では、女性は「副」であることがデフォルトになっています。過去、欧米にもその傾向はあったようですが現代ではその損失に気づき、急速に社会を変革させています。リーダーシップにジェンダー差はなく、その人の積んだ経験の質と量の差が能力の差です。

 

 

リーダーシップが強い人が増えれば、社会の多くの「欲」が実現に向けて動き出します。それこそが資本主義を発展させる力の根源です。そして、リソースの半分は女性なのです。日本はそれをちゃんと活かせずにどうやって他国との競争に打ち勝っていけるのでしょうか?

 

Girls Friendship Togetherness Community Concept
Girls Friendship Togetherness Community Concept

■リーダーシップを身につけるための選択は2つのみ。いますぐ経験を積むか、経験を積める環境に移るか。

 

リーダーリップを身につけるための方法は2つしかありません。

 

①自分のリーダーシップでその環境を好ましいものへと変化させること

 

これは、キャリア戦略上、自分の特徴を強みとして発揮できる環境にいることが前提条件です。

 

 

②その環境から別の環境へ移動すること

 

自分の強みが生かせない環境にいるのであれば、熟慮したうえで新たな環境を選択するべきです。その際、自分に合ったレベルの組織を選ぶことが大切です。必要なのはリーダーシップ経験であり、「会社の看板」や「待遇」「安定」「世間体」などのフィクションに囚われて、目的に対して正しい意思決定ができないことが多いようです。自分が周囲からそれなりに頼りにされる環境に気を置くことがリーダーシップ経験を養うためには重要です。

 

 

■仲間との人間関係の作り方

 

人間関係を作るには、相手をすべてわかったうえで凸凹の全てを認めらるかどうか。そのうえで「強み」を尊重できるかどうかにかかっています。

 

 

その人の現在のスキルでなくもっと根源的に、何をすことが好きなのか、何に興味があるのかをひたすらよく考える。それが見えてきたら、相手が何の仕事に向いているのかを考えることが必要です。

 

 

受動的なモチベーションで動かされる人は主体性をもって動ける人には絶対に勝てません。

 

 

教育システムと組織構造によって、日本社会は受動的な人で溢れています。モチベーションに主体性がありません。モチベーションを自分の中から生み出せる存在になること、周囲の人が主体性を持って動ける人に導けることができれば、それは超絶希少なリーダーシップスキルになります。

 

Conceptual image of motivation and determination
Conceptual image of motivation and determination

■長期的には「褒めて育てる」のは効果的ではない。

 

デール・カーネギーが著書「人を動かす」で力説しているように、人を動かすためには人を褒めることが大切だと言う人が多いようです。承認欲求が満たされるので短期的には成果に結びつきますが、実は長期的には自律性や自発性が育ちません。人に褒められないとモチベーションが湧かない人、動機づけの源泉を他人に握られて、自立できない人をつくることになるのです。

 

 

では、どう褒めるのがいいのか?

 

 

それは、褒めるとより、認めるという感覚に近いものです。本人の成功確率が上がる行動を認める、そうでない行動は結果だけをみてむやみに褒めない。

 

 

本人が自分の特徴や強みに気づくことが極めて大切で、そこに気づかせて自信を持たせることがリーダーの役割です。

 

 

 

■相手に「考えさせる」ことが成長に繋がる

 

そもそもリーダーの役割は「自分が動くこと」ではなく「人を動かすこと」です。あくまでノウハウを周囲に学ばせるため、あるいは人々の士気を高めるためであって、自らの手で物事を解決するためであってはならないのです。

 

 

自分が得意な領域で、自分で動いて結果を出すことはとても楽しいものです。ですが、リーダーになった場合、新しい役割に応じて果たすべき機能は変わっていくはずです。自分の後進となる人間を中心に役割がしっかりこなされるように支援すべきです。

 

 

まずは目的と戦略を相手に考えさせ、それを叩き台にして議論し合意し、その後のHOWの部分の思考はできるだけ相手に任せて、提案をもってこさせて自分の合意を取らせるようにします。できるだけ相手の自主性を養うべく思考をリードさせます。

 

 

取れるリスクの範囲内であれば、できるだけ相手の考えを実行させます。短期的には点数を取れなくても、長期的には合格点に近づいていく。何もかも上司が決める組織では人は育ちません。

Thinking about problems
Thinking about problems

■リーダーリップの先にあるもの

 

リーダーシップの本質は人を本気にさせる力だと考えています。人々が達成したくなるワクワクするような未来の完成形を描き出し、それが絵空事でなく本当に実現できそうだと信じさせる力。そして、その物語の中でその人ならではの特別な役割を演じられると相手に信じさせる力。その2つがあれば目的のために人々が本気になり、仲間になってくれます。

 

 

自分の意見が成果を出すことも嬉しいことですが、自分が引き出した仲間の意見が成果を出すことの快感にはとても比較できません。病み付きになる蜜の味です。

 

 

個人的にも過去の経験を思い出します。一人で成し遂げた成功よりも、チームで成功した仕事のほうが記憶に残っています。「戦友」と切磋琢磨した日々は、記憶に深く刻まれ、その成功体験はチームの勢いと自信にも繋がっていると思います。

■全ては明確な意思を持つことから始まる

多くの人が、自分が生きている意味を実感できる居場所を常に探しています。その居場所に導いてくれる「誰か」との出会いを待ち望みながら、今日を生きているのです。

 

途方もない夢を本気で信じて語れる人。

 

自分すらも気がつかない自分の可能性を信じさせるくれる人。

 

困難な時でも最後まで絶対に戦い続ける覚悟を信じさせてくれる人。

 

そんな「誰か」が自分を見つけてくれる瞬間を人々は待ち望んでいるのです。

 

 

結局、リーダーシップとは自分自身の一度しかない人生で叶えたい夢を実現するためのスキル。
受動的に流されがちな人生を、どれだけ主体的に操縦して乗りこなせるようになりたいのか?ということです。

 

 

自分が望む未来を本気で欲すること、そのために本気で行動し続けること、王道はこれしかありません。明確な意志を持つところからすべてが始まるのだと確信しています。

 

 

前田裕二さんの「メモの魔力」の内容が思い出されます。最終的には、自分の「意識」を明確にすることが一番大切、ということです。それがないと全てが始まらない。日本人は、それを押し殺すことに慣れすぎてしまっているようです。普段の何げない出来事に対して自分はどのように反応するのか、何を思うのか。自分に対して敏感になることが大切だと改めて感じます。

children dream
children dream

■著者のあとがきより

2015年に営業を終了した兵庫県のリゾート施設「グリーンピア三木」の跡地にオープンした「ネスタリゾート神戸」。USJを飛躍させた著者が率いる会社は、このテーマパークの開発に関わり、大きな結果を残しています。さらに、今後、沖縄に新たなテーマパークの開発計画を進行しています。

 

 

“人はエンターテイメントなしに生きていくことはできない。その点だけは絶対に間違いありません。一つのエンターテイメントが、一つの笑顔が、一つの感動が、人生を変えて、あるいは時代をも超えて、人の命ですら救う生きる力になることを、この仕事に誇りを持つ我々だけは知っているはずです。”

■編集後記

 

いかがでしたでしょうか?あなたの心に引っかかる言葉やフレーズがあったらぜひ手に取ってみてください。あなたの仕事や人生のヒントを見つけることができると思います。

 

 

このブログでは省略していますが、著書の後半では、新型コロナウィルスに関する著者の見解とこれからの対策についても記述があり、多いに共感できる内容でした。

 

 

ウイルスよりも何よりも怖いのは、人間の意識。それを自分自身でしっかり把握して、コントロールすることが何よりも大切です。

佐藤ハリー

会社勤めの傍ら、経済的自由と理想の働き方を求めて模索中。2021年1月から始めたこのサイトは、ビジネスに役立ちそうな本の要約と私の感想、おすすめ度などを紹介していきます。サイト構築、WEBマーケディングを勉強しながら作成していますので、不備等たくさんあると思います。ご了承ください。アドバイス大募集です!笑